フェイント

「あなたの剣さばきは、まっすぐすぎるから、勝てないんだよ」

高校生の頃にフェンシングをしていてわかった、自分の性格。私はフェイントというものが超苦手で、嘘つけないのがそのまま剣先に現れていて、勝てない理由によくこのことを言われていた。3年間、フェイントに苦手意識を持っていた私は、最後の試合で負けたときに心に決めたことがあった。それが、人生に壮大なフェイントをかけてやる、ということだった。その裏には、素直なまっすぐな剣で何が悪いのだ、という感覚と、フェイクや嘘にあふれた社会に対して、壮大なフェイントをかけてひっくり返したいという思いが渦巻いていて、それがその後の人生の動機となっていたように思う。多感な時期に武芸をやっていると、人生ずっと、フェンシングをしているかのような感覚になる。あの頃から自分は何も変わっていないのかもしれない。

フェイント、フェイクって、世間一般ではあまりいい意味でとらえられないかもしれない。なんだよ、フェイクかよ!って、騙された気分になるから。でも、そういったフェイクのフェイクをかければ、正常な元のルートに戻るのではないかと、直感で感じていて。正義は勝つわけではないけれど、魂が望むルートというものは確かに存在していて、そこに沿う生き方を選択することは、一応答えとして用意されているように思う。

私はこの人生にかけた壮大なフェイクを、やめたいんです。それはつまり、魂の青写真に沿った生き方をするということ。それ以外はすべてフェイクで、本来の望む生き方ではない。フェイクでしたぁ!と、何度も軌道修正することはできるが、正直切ないものがある。早く本筋に帰りたい。

そうなの、私はフェイントが苦手なのではなくて、人生そのものがフェイクだった!そんなオチがあるだろうか…。これも人生、人生とはこういうものだ、みんなそうだ、安心せよと、何の慰めにもならない声が頭をよぎる。ここまで気づいたらもう、愛や光、調和の中で生きる以外に考えられなくなる。玉ねぎの皮が向かれるように、どんどん覚醒していく経緯は本当に秀逸で、私用にアレンジされたストーリーの中で、着実に進んでいる。本当に、見事としか言いようがない。人間って、神秘的で、すごいよね。本当に感心する。。

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