出会い

先日、子猫を拾いました。交差点で鳴いているのを探しに行くと、電柱に1匹だけ不自然に挟まっていました。変な恰好をしているので拾い上げてみると、後ろ左足がぷらんぷらんでまっすぐ立てないようでした。骨盤が砕けているみたいな動きしてる・・・。

でも、しっかり威嚇と猫パンチを繰り出す彼は、完全に野生の子猫でした。たくましい。

拾ったその場所は交番だったことから、警察にもっていきましたが、持ってこられても困る、保健所→殺処分になりますよ。と言われました。えーー。そんなこと言われたら連れて帰るしかないじゃん。母猫が近くにいないか探したけれど見つからない。人間がいたら当然出てこないよね。

しかたないので家に連れて帰ることにしました。夜間空いているスーパーに駆け込み、フード、トイレ、段ボールを揃え、様子を見ることに。

キジトラの男の子。目やにで目が開けず、目の色はグレーでした。車や自転車が走るたびにとてもびびっていて、どこか悲壮感でいっぱいの状態でした。母猫や兄弟たちがいないので当然だよね。

しばらくすると、ごはんをうみゃいうみゃいとしゃべりながら食べていました。相当おなかがすいていたようです。

とりあえず、翌日動物病院に連れて行きました。

体重は400g。生後2週間とのことでした。小さいねー!!まだ歯が生えておらず、一人で排泄できないので、人間のサポートが必要のようです。

不幸中の幸いで、左後ろ脚のレントゲンをとると、骨はすべて正常。下半身が弱いのは、先天性の何かの病気があるかもしれないけれど、今はとにかく体力をつけることに集中しましょうということでした。

そこから、とても濃厚な日々が過ぎていきました。わたしは猫を飼ったことがないので、私にとっても新鮮でした。いのちを軽く扱ってはいけない責任感や、ちゃんとしなければいけない感覚というのが沸き上がってきて、最初機械のようにお世話をしていました。しかし、途中で楽しむことを思い出し、責任感や使命感ではなく、家族の一員として過ごすことにしたら、毎日がとっても潤いあるものに変わっていきました。

大変だけど、成長していくのを見るのはとても楽しいものです。表情豊かになり、悲壮感が消え、楽しんでいる彼を見ていると、拾ってよかったのかなと思えてきました。

これまで殺処分の現状や、保護猫活動などの動物に関する社会問題の話題をネットでよく閲覧していましたが、実際保護してみると、そういった問題よりも出会えた喜びの方が大きかった、というのが正直なところでしょうか。命を育む方向に意識が強制的に向かされるというのは、性別問わず、年齢問わず、人間にとって根本的に大切なことは何かを、肌感覚で感じることができる貴重な体験なんですね。誰かが子猫を育てている画面を見ているだけではわからないこと盛りだくさんでした。そして、社会問題の方に意識が強く行き過ぎていたと反省しました。

こんな子たちが身近にたくさんいて、出会う機会を与えてくれていることに感謝しかありません。彼らは、間違いなく内面のカギがかかった扉を開き、より力を抜いて生きていくことを教えてくれます。

これから先、特に意識を向ける方向がどこを向いているのか重要になってくるでしょう。保護活動一つとってみても、共に過ごす喜びか、殺処分をなくさなければという強迫観念をもとにした保護活動か。行動は同じでも、向いている方向は全く異なります。自分が喜びを少しでも感じられるような意識の向け方ができるように、日々を送りたいものです。

生後1か月たった。いろいろおしえてくれて、ありがとうね。

彼の幸せのための形は、さまざまあると思いますが、一応、里親募集しております♪

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